エピソード

2024.07.11
タイトル

後遺症と向き合いながらの仕事

エピソード本文

当時僕は大学卒業後、新卒社会人としてIT企業に就職していました。4月に入社し、3ヶ月間の研修を経て現場に配属される予定でしたが、7月初旬に胃がんが見つかり、そのまま治療のため休職をし、翌年の3月に復帰の目処が立たないことや体力的なことが原因で自主的に退職をしました。

現在はIT企業でプログラマーとして働いていますが、以前は書店の店員をしていました(アルバイトです)。書店は最初の社会復帰先として選んだ職場です。後遺症により食事が困難な自分に合っていると思ったからです。
「職場での食事づきあいや飲み会が少ない」「シフトワークのため通院がしやすい」「昼休憩もシフト制のため、一人で食事が摂れる」など、当時の自分に適した仕事を選んだと思っています。

しかし、もう一度正社員として就職をして親元を離れて自立したいと思い、転職活動を開始し、現在はプログラマーとして働いています。

現在の会社には、役員にのみ病気のことは伝えていますが、実際に共に働いている人には僕の病歴は伝わっていません。前職と違い、食事の機会が増えてきました。上司の前で食事を喉に詰まらせるわけにはいかないと、意識的によく噛むようにすると会話に参加できず、会話を意識すると結局ほとんど食べることができませんでした。そのため僕はお弁当を持参するようにして、ランチに誘われた時には「お弁当持参なんです」と伝えて自然に昼食の誘いを断るようにしました。これにより、何とかマイペースに昼食を摂れるようになりました。ちなみに、職場の飲み会ですが、昼食とは違い複数人でシェアをして自分の好きな分だけ食べるので問題なく参加できます。

食事に難があると人間関係にも影響がでるため、仕事上のチャンスなどは逃しがちですが、それは生まれつきお酒を飲めない人が飲み会で出世のチャンスを逃すことと同じようなものだと自分に言い聞かせて今日もがんばっています。

*AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/27/)より転載*

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