- タイトル
幼い子どもを抱えて、がん宣告を受けたあの時
- エピソード本文
33歳の時、突然急性骨髄性白血病の告知を受けました。子どもはまだ5歳と6歳。自分のこともですが、何より頭をよぎったのは二人の子どものことでした。病気のことをどういえばいいのか?どんなにごまかしても明日からは即入院して治療しなければならない。それも半年以上はかかる、と主治医から説明を受けていました。ともかく子どもたちが不安にならないためにはどうしたらいいのか?短い時間でしたが、それでも主人としっかり話し合い、子どもたちにはごまかさず、わかる範囲できちんと病気のこと、これからのことを話そう、と決めました。さすがに病名はわからないので「お母さんの体の中にバイキンマンがたくさんいて、具合が悪いままになるから、病院に行ってアンパンマンに治してもらうね。ちょっと時間はかかるけど、待っててね。」と伝えました。そして「いつも通りに保育園や学校に行って、お友達と遊んで、ご飯を食べて、何も変わらなくていいからね。お父さんとおばあちゃんたちがそばにいてくれるからね。」と何度も説明しました。疾病の関係上、告知からすぐに入院しなければならなかったので後ろ髪をひかれる思いでしたが、子どもたちはなんとなく察していたようで、きちんと話したことで少し安心した様子でした。
その後再発や他のがんにもなりましたが、その都度わかる範囲で説明をしました。ごまかしても子どもたちは大人の表情や仕草で何が起きているのか、ちゃんとわかっているようでした。
今、大学生になった二人に当時のことを聞くと「寂しかったけど、きちんと話してくれて状況が分かった。だから心配はなかった。」と言ってくれます。離れていた時間も「様子を詳しくみんなが教えてくれたから、お母さんが頑張っているのがわかって、じゃあ自分も頑張ろうって思ったよ。」と話します。子どもに伝えることはとても難しいですが、それでも家族の一員としてきちんと説明して闘病したことは、よかったなあ、と思います。
*AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/21/)より転載*
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