- タイトル
治療しながらの通学
- エピソード本文
私は高校3年生の4月に急性白血病を発病し、入院しました。最初から長期入院が決まっていたので、卒業できるか分からないと学校からいわれ、とてもショックでした。それでも体調のいい日は気分転換も兼ねて自主的に課題を解いて提出したりしていましたし、高校1、2年生のときは皆勤だったことも認めてもらえたのか、二学期の試験を受けること、かつ休み中に通学することで出席日数にカウントして、卒業できるよう配慮していただけることになりました。
そのこと自体は嬉しかったのですが、学校に行かなければいけないというプレッシャーでもありました。治療の合間に多少無理をして外泊をさせてもらい、免疫力が下がっていて感染のリスクもある中、家族に付き添ってもらって通学し、数時間だけ授業を受けたりしていましたが、体調がよくないのに無理をして通学中に気分が悪くなったり、学校にたどり着いても保健室で寝ているだけで帰ったりと、大変な思いもたくさんしました。先生方はみんな心配してくれていましたが、悪意なく心ないことをいわれることもありました。クラスでも、私がいないことが日常になっていたので、たまに私が通学したからといって、日常は変わらず、みんなの世界に私は必要のない人になっているように感じました。休み時間を一人で過ごすこともあり、受験の話にもついていけず、寂しい思いをしました。学校に行っても楽しくないと思う気持ちもありましたが、一方で命と向き合う毎日の中で、かつてのようにはいかずとも、学校に行くという日常を再び取り戻せることがどれだけ有難いことかと痛感していました。
治療しながら通学することは身体的にも精神的にも辛く大変なことが多かったですが、それでも同級生と同じ年度内で卒業できるよう尽力してくださった先生方や、同級生から遅れての一人だけの卒業式に駆けつけてくれた友達には、心から感謝していますし、頑張ってよかったと心から思います。
*AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/146/)より転載*
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