- タイトル
がん細胞への視点を変えて、気持ちが軽くなった
- エピソード本文
当初は検査結果を眺めながら早くがん細胞を消してしまいたいと考え、憎んでいました。ところがある日、「がん細胞は自分の細胞だ」と気づきました。それならば私の息子たちと同じであるという感覚が芽生えました。不思議なことに憎しみが消えて愛おしく感じ始めたのです。今までは「早く消えて欲しい」と考えていましたがこの日からは「ずっと一緒でもいいかも」と考え、語りかけてみました。「がん細胞よ。俺が死ぬとお前も消滅することになるよ。だから一緒に楽しく生きようぜ」と。
がん細胞を完全に消してしまわなければならないという気持ちが薄れると、すぅっと楽な気持ちになりました。現在も検査をするとたまにがん細胞が見つかります。私はがん細胞からの挨拶だと受け止めるようにしています。そのため、毎日抗がん剤を服用しています。こうして19年間、がん細胞とともに楽しく生きています。
楽しく生きるコツは、落ち込むときは涙を誘う曲や映画などでしっかりと泣くことです。最初の5年間ほどは定期的に泣いていました。最初は毎月、やがて3か月に1回、半年に1回となり最終的には必要なくなりました。徹底的に泣いた後は癒される曲で心を整え、最後はアップテンポの曲で気持ちを明るくしていました。気持ちが上がってきたら、様々な事例をポジティブに解釈するように意識してきました。やがて習慣となり、常に楽しく感じるようになりました。来年は成人式なので、息子たち同様に祝ってあげる予定です。
*AYA世代のがんとくらしサポートより転載*
- どんなときのエピソードですか?
治療中
- 何に関するエピソードですか?
抗がん剤
- あるある
- そうなんだ
- 応援する
- ありがとう