がんを患ってからの再就職２

当時僕は大学卒業後、新卒社会人としてIT企業に就職していました。４月に入社し、３ヶ月間の研修を経て現場に配属される予定でしたが、７月初旬に胃がんが見つかり、そのまま治療のため休職をし、翌年の３月に復帰の目処が立たないことや体力的なことが原因で自主的に退職をしました。

再就職をしようとした時、病歴によって多くの苦労を経験しました。
・がんのことを伝えると面接官が取り乱してしまい、会話が噛み合わなくなる
・「若いのに大変でしたね。元気になって良かったですね。」と丁寧に対応していただき、数日後に不採用通知が届く
・がんのことを伝えないと、うまく自分のことが説明できない。
など、多くの困難に直面しました。

ですが、最終的に僕は「がんであることを伝えた上で雇ってもらう」ことにしました。隠し事をしながら自身をアピールすることに限界を感じたからです。その際に工夫した点は以下です。

・履歴書の自己PR欄などに「大病により入院して～」と記載し、現在は元気である旨も記載しました。「がん」と記載できないことと、「一身上の都合により」だと「根性のない若者」と捉えられてしまい、面接の機会すら頂けないからです。
・面接ではほぼ確実に「大病」について聞かれます。その際に極力冷静に、自分の病状と配慮して欲しい点を説明します。その後に「今、自分がいかに元気か」「病気の経験で何を得たか」を話しました。その成果もあり、その場で採用をいただきました。

この企業で現在も就労しています。初めはこのようにうまく話すことはできませんでしたし、面接官によってはどんなにうまく説明しても伝わりません。何度も不採用になるうちに病気の説明はうまくなっていきますし、話のわかる面接官も必ず存在するはずです。できることを無理せずに行い、失敗しても落ち込まないようにすることが大切だと思います。

＊AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/26/)より転載＊

治療終了後

仕事