エピソード

2024.07.11
タイトル

家族や友人への「自分の気持ち」の伝え方

エピソード本文

入院中の病棟でがんを告知された翌朝、一番にしたことは夫に自分の意志を伝えることでした。

過去に何度か家族を病気で見送り、思いやりゆえに患者と周囲の対話が淀むシーンを度々見てきて。その後悔だけはしたくないし、させたくない。そのためには病気と向き合う段階で、患者本人から想いを伝えることが必要だと感じていたからです。

治療は頑張るという前提で。これから先もし病状が悪くなることがあっても、最期まで隠しごとのない対話をして欲しい。家族や周囲の友人に対しても、最初から公表して、正直に気持ちを伝えてサポートも得たいと夫に伝えました。

夫の協力で家族の理解も得て、夫と相談してから公表しました。妊娠・流産からはじまり約2か月。体調不良の理由を隠すために重ねてきた嘘から解放されて、ほっとしました。それまで正直な対話を大切に生きてきたわたしにとって、嘘のない対話を取り戻せたことは治療を頑張る活力にもなりました。

公表するかどうかに正解はなく、これはわたしの選択ですが。環境が整い、それぞれの価値観に沿って選びやすくなるといいなと思います。

公表する際に一番気をつけたのは、周囲に与えてしまう「心配」がもたらす影響について。本人たちが「してもらって嬉しい」ことを伝えることで、周囲も「力になれて嬉しい」という関係を保てたらと、家族や親しい友人には具体的な想いも伝えました。

「治療については主治医を信じてやっていくので、夫婦の意思決定を尊重して見守って欲しい」

「サポートが必要なことは、本人(夫婦)から具体的にお願いするので、それをサポートして欲しい」

「体調の波がありメッセージは返せないこともあるし、お見舞いも基本遠慮する。連絡や相談は夫へお願いしたい」

今改めて文章にすると、好き勝手なお願いですが。結果的には、良い関係を保ったまま治療を続けることができ、心身ともにとても助けられました。

*AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/89/)より転載*

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