エピソード

2024.07.11
タイトル

がんを患ってからの再就職1

エピソード本文

当時僕は大学卒業後、新卒社会人としてIT企業に就職していました。4月に入社し、3ヶ月間の研修を経て現場に配属される予定でしたが、7月初旬に胃がんが見つかり、そのまま治療のため休職をし、翌年の3月に復帰の目処が立たないことや体力的なことが原因で自主的に退職をしました。

当時は実家暮らしであったことや、自分の命が何より惜しかったこともあり、「まずは治療」と考えていた故に退職の判断をすることができました。そして治療が順調に進み体力が戻ったころに、「もう一度正社員として社会復帰しよう」と始めた就職活動で厳しい現実を経験することになります。社会人としての経験とスキルをつけずに退職をしたリスクに気づき始めました。その時には「大学卒」という学歴もほとんど意味を持っていませんでした。退社までの期間の短さなどから、「根性のない若者」と捉えられてしまうことも至極当然であり、その誤解を解くためには「がん」のカミングアウトが必要でした。

自宅に不採用通知が届く度に自己嫌悪に悩まされましたが、その悩みの相談相手を探すため若年性のがん患者が集まる患者会に参加しました。そこでは多くの若者が自身の病歴を職場に伝えていることを知り、「がん患者を採用する企業が存在する」という事実を知ることができました。

その情報から僕は就職活動の面接では自身の病歴を隠さずに伝える様にしました。そして伝える際には「術後1年でフルマラソンを完走しました」や「現在のアルバイト先では一度も病欠をしていません」など、「いかに自分が今は元気か」をアピールしたところ、面接官の心をつかむことに成功し、その場で採用をいただきました。

がんによって再就職がうまくいかなかった時は、退職をしたことを何度も後悔しましたが、今になってみるとその経験は自身の大きな力となっており、今は当時の決断を一切後悔していません。

*AYA世代のがんとくらしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/25/)より転載*

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治療終了後 / 診断時

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