エピソード

2024.11.14
タイトル

再発を経て、今思うこと、今からのこと

エピソード本文

33歳で白血病との診断を受けた時、予後がいいタイプということで化学療法だけで治療を終えました。その時、頭の片隅に「再発」という言葉はありましたが、実際には根拠のない自信から、再発するとは思っていませんでした。治療終了から1年半後の35歳の時、定期受診で再発がわかりました。

今思えば、最初の診断の時よりもショックだった気がします。最初の診断の時は、何もわからないなりにも「ともかく頑張ろう!」と前向きに治療に臨めましたが、再発の時は「あんなに辛い治療を受けたのに。」という悔しさと「またあのつらい治療を受けるのか。」という思いで、なかなか立ち直ることができませんでした。不思議と「死ぬかもしれない。」という気持ちはなかったです。どちらかというと、せっかく社会復帰したのに、また病院に戻ることになるのが本当に嫌でした。

その時に「もう治療は受けたくない。」と思いましたが、周りの人たちに励まされて、また医療者から「まだ治療法はある。諦めるのはいつでもできる。でも今じゃない。」と言われて、骨髄バンク経由で非血縁間造血幹細胞移植(骨髄移植)を受けました。

おかげさまで、現在は経過観察のみでの通院(3か月に一度)以外は、患者だったことは忘れて生活しています。でもそこに至るまでは10年かかりました。今でも、打ち身で青あざができただけで「再々発かも。」と思ったり、熱や咳でも心配になることもあります。それでも時間の経過とともに、頭の片隅には「再々発」の言葉はあるものの、普段は気にせず、今は受診の時だけ意識する程度になりました。それに血液の病気は次々に新しい薬や治療法が確立し、私が治療した20年前とはかなり変わっています。年々、治療成績も向上し、副作用や後遺症が少ない方法が考えられているので、もしもの時もきっといい治療法があるはず、と信じています。

再々発はしたくありませんが、それでも「その時はその時」と考えて、今を生きていることを大事にする方に向いて日々を過ごしていくことを意識しています。

*AYA世代のがんと暮らしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/46/)より転載*

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