- タイトル
どん底から復活させてくれたのは、がん患者会
- エピソード本文
がんが発覚した時、4カ月後に結婚式を予定していました。発覚翌日に病気のことを彼女にも伝えました。治療がどれくらいの期間かかるのかわからなかったため、自分と彼女、お互いの両親と話し合い、一旦結婚は中止にすることにしました。その後僕が仕事復帰した後もお付き合いは続いていました。しかし、「いつ結婚できるかもわからない」、「今後自分がどうなっていくかもわからない」と思い、当時は自分自身の将来に全く自信が持てませんでした。結局、その年の年末に僕から別れを告げました。彼女も自分と両親の板挟みになっていてとても辛かったと思います。本当に申し訳なく、悔しくてたまりませんでした。
がんになって結婚もなくなり、さらに僕は自信を喪失していました。そんな中、がんサバイバーの会やサロンが多くあることを知りました。それまで自分以外のがん患者さんにはお会いしたことがなかったため、勇気を出して参加してみることにしました。そこで驚いたことは、みんながんサバイバーなのに、笑顔が絶えないこと。「僕もこのままじゃいけない」と思い、いろんな患者会に参加してみることにしました。
何回か患者会やイベントに参加していく中で、あるがんサバイバーさんが言っていたとても勇気の出る言葉に出会いました。それは、「生きているだけでもう価値がある。生きているだけでもう誰かを幸せにしている。今のままでいいんだよ。」という言葉でした。その言葉を聞いて僕は、「このままでいいんだ、今のままでいいんだ」と思うことができ、今も僕はこの言葉に救われている気がします。
*AYA世代のがんと暮らしサポート(https://plaza.umin.ac.jp/~aya-support/experience/46/)より転載*
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